ワキガとは
脇汗が、刺激臭を発する体質を、ワキガと言います。締め切った部屋にワキガ体質の人がいると、部屋全体が臭いで充満することがあります。臭いが強く恥ずかしい、臭いで他人に迷惑をかけるという理由から、ワキガ治療を希望されることが多くいらっしゃいます。
多汗症とは
脇汗が多く、脇に汗染みが出来る状態を、多汗症と言います。脇から汗が流れ落ちるほど汗をかく場合もあります。脇の下に汗染みが出来る、脇の部分に黄色っぽい色が付く、などの理由で多汗症を治療したいという方に御来院いただいています。多汗症の方の中には、腋臭体質の方もおり、脇汗も多く、臭いもきついという方もいらっしゃいます。幸い多汗症は腋臭と同じ治療法により改善できますので、ワキガを治療すれば、多汗症の改善が期待できます。
ワキガの原因
脇の皮下には、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の2つの汗腺があります。ワキガ体質の人は汗腺の数とサイズが、ワキガでない人に比較して大きいことが分かっています。2つの汗腺から分泌された分泌物は、皮膚の上で混合して化学反応を起こし、刺激性の物質に変化します。
ワキガの遺伝
ワキガ症状の多くは遺伝性であることが知られています。その遺伝系は常染色体優性遺伝で、片親がワキガだと50%の確率で子供がワキガ症状を呈するようになります。両親が腋臭症状だと75%がワキガ症状を呈するようになります。稀に、家族や親族に全く遺伝歴がないワキガ体質も存在します。
ワキガの治療
汗腺から分泌物が出なくすることが、最も根治的なワキガ治療法と考えられ、汗腺の除去が行われてきました。ワキガ多汗症手術で大切なことは、初回手術でアポクリン腺、エクリン腺をきちんと除去し、症状を完治させることです。初回の手術が不完全だと、臭いや汗が再発し、再手術要することになります。ワキガ多汗症の再手術は、時間が掛かり、難易度が高い手術です。仙台中央クリニックではワキガ多汗症の原因になる汗腺を完全に除去し、一度で、ワキガ多汗症を治癒させるという方針でワキガ多汗症治療を行っています。
再発しないワキガ治療
脇の下の汗腺を完全に除去できれば、ワキガの症状はなくなります。しかし取り残しがあるとワキガの症状は再発することが知られています。シェービング法は再発しないワキガ治療です。症状が強い腋臭で、再発したくないという方には、仙をお勧めしています。
シェービング法による腋臭治療
シェービング法とは、専用の機器を用いて、脇の下のアポクリン腺、エクリン腺を削り取るワキガ多汗症治療です。脇の下を切開して、専用のカミソリ状の器具を皮下のスペースに挿入します。皮膚を挟み込むようにして、皮下のアポクリン腺、エクリン腺を除去します。特殊な道具を扱うため、技術力が要求されます。シェービング法に慣れている医師が手術を行った場合には、手術時間は短縮されます。腋臭の根治率も切開法に比較し、高くなります。再発したくないという方に適応する方法です。
シェービング法の適応
- ワキガ多汗症をきちんと治したい。
- 再発したくないので完治を目指したい。
シェービング法のデメリット
- 技術を要すため、引き受けてくれる医師が少ない。
- 術後固定を要す。
- 稀に術後出血をきたすことがある。
- 術後上肢の運動制限が必要になる。
ワキガ多汗症に対するシェービング法症例写真
シェービング法による腋臭手術右 術前
シェービング法による腋臭手術右 術直後
シェービング法による腋臭手術左 術前
シェービング法による腋臭手術左 術直後
39歳、女性。腋臭多汗症、シェービング法
症例経過:年齢と共に脇汗が多くなり、それと共にワキガ症状が強くなってきたという症例です。汗の管理が大変という事で、ワキガ治療を希望して仙台中央クリニックに御相談いただきました。診察したところ、脇に汗が多く、腋臭特有の刺激臭がありました。再発なく完全に腋臭を無くしたいという御希望から、シェービング法による腋臭手術を行いました。手術後から腋臭症状は無くなり、再発も認められておりません。臭いから解放され快適な生活を送ることが出来るようになりました。
症例解説:ワキガ症状が強く、再発したくないという方に対し、シェービング法は有益な手術です。特殊な器具を脇の皮下に挿入して、腋臭の原因となるアポクリン腺、エクリン腺を一塊として除去します。汗腺の除去率が高くなりますので、完治率も高くなります。シェービング法の利点は、手術直後からワキガ臭が無くなることです。汗も減少しますので、ワキガ多汗症に有益です。ワキガ手術には、術後出血を起こすことがある、細菌感染を伴うことがあるなどの、リスクやデメリットが認められることがあります。術前に十分説明を受けて、治療に臨んでください。
シェービング法ワキガ手術右 術前
シェービング法ワキガ手術右 術直後
シェービング法ワキガ手術左 術前
シェービング法ワキガ手術左 術直後
36歳、男性。ワキガ多汗症のシェービング法
症例経過:以前からワキガ多汗症に悩んでいた男性症例です。同僚から汗臭いと指摘されることがあり、ワキガ手術を決意され、仙台中央クリニックに御相談いただきました。両脇の腋窩部は広く、ワキガ臭と多汗が認められました。再発なく治療したいという御希望から、シェービング法による腋臭多汗症治療を行いました。手術直後から、臭いや多汗が無くなりました。汗を気にすることも無くなり、日常生活が快適になりました。
症例解説:男性でも腋臭多汗症に悩んでいる方は多くいらっしゃいます。ワキガの強い臭いで同僚に迷惑をかけることや、脇に汗染みが出来て見栄えが悪いことを、気にされています。シェービング法は、手術直後からワキガ多汗症の症状は無くなりますので、腋臭体質の方にとって有効な治療法です。男性の場合女性と比較して、腋窩有毛部が広いために、手術に時間が掛かることがあります。ワキガ治療は、手術部に血腫を形成することがある、細菌感染を合併することがあるなどのリスクやデメリットを認めることがあります。術前に詳しい説明を受けた後に、治療を依頼してください。